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お寺借地を売却した人の体験談10選|成功と失敗の違い

お寺が地主となっている借地を売却しようとすると、一般の借地よりも複雑な問題に直面しやすくなります。
承諾料の相場が読みにくい、住職や寺院側の判断で条件が変わる、相続や住職交代によって交渉が長引く――こうした特殊事情が絡むため、スムーズに進んだ人と大きなトラブルを抱えた人とで明暗が分かれます。
本記事では、実際にお寺借地を売却した人の体験談を10例紹介し、成功と失敗の違いを徹底分析します。
円滑に売却できた人が工夫したポイントや、失敗してしまった人が見落とした注意点を知ることで、あなた自身が売却を考える際の参考になります。
お寺借地の売却で損をしないために、ぜひ最後までご覧ください。
記事監修者情報

株式会社グランクルー 代表取締役 加瀬 健史(カセ タケシ)
不動産業界歴20年以上・宅地建物取引士
不動産のプロでも敬遠しがちな借地権取引の実績100件以上。借地権の売買や更新料の相談・借地トラブルまで幅広く対応し借地取引に多くの知見を持つ。世田谷の借地権に特化したメディア「教えて世田谷不動産」運営。
お寺借地の売却はなぜ難しいのか
お寺が地主となっている借地は、一般的な土地売却とは違うハードルが数多く存在します。
借地権という独自の権利関係に加え、寺院という特殊な性質が絡むことで、承諾や相続の場面で複雑な問題が生じやすいのです。
そのため、売却をスムーズに進めるには、法律的な理解と寺院側との信頼関係が不可欠となります。
借地権と承諾料の特殊性
借地を売却するには、通常「地主の承諾」が必要です。特にお寺が地主の場合、承諾の可否や承諾料の水準は住職や寺院の判断に大きく左右されます。
承諾料は明確な基準が法律に定められているわけではなく、地域の相場や地主の意向によって大きく変動するのが現実です。
例えば、同じエリアでも「借地権価格の5%」で承諾してくれる寺院もあれば、「10%以上」を求めるケースもあり、交渉次第で大きく差が出ることがあります。

お寺は宗教法人という立場から、承諾判断に合理性よりも宗教的・道義的な観点が影響することもあり、一般的な地主以上に予測が難しい点が特徴です。
寺院特有の相続や承諾リスク
お寺が地主の場合、住職の交代や寺院内部の相続・承継によって、承諾条件が大きく変わることがあります。
前住職が柔軟に対応してくれていたとしても、新しい住職に代替わりした途端、承諾が遅延したり、より厳しい条件を求められることは珍しくありません。
また、お寺は宗派や本山との関係性があるため、単純に「住職だけの判断」で進められない場合もあります。寺院理事会や宗派本部の承認が必要となり、売却手続きが長期化するケースも多いのです。
このように、相続や承継のタイミングと売却のタイミングが重なると、スムーズな承諾が得られず、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
体験談で学ぶ!お寺借地売却の成功と失敗の分かれ目
お寺借地の売却は、一般的な借地よりも手続きが複雑で、条件交渉が難航することが少なくありません。
実際の体験談を見ても、円滑に売却できた人とトラブルに巻き込まれた人の差は大きく、その背景には共通する要因が存在します。ここでは、成功と失敗を分けたポイントを整理します。
借地売却に成功した人に共通するポイント
- 契約書を確認し、古い条項や不利な条件を弁護士にチェックしてもらった
- 地主である住職と日頃から良好な関係を築き、承諾の際にスムーズに話が進んだ
- 承諾料の相場を調べ、強気ではなく納得感のある提示を行った
成功体験を語る人たちの多くは、売却前から準備を徹底していました。
特に「信頼関係」と「事前準備」の2点が大きな成功要因となっており、地主側が安心して承諾できる環境を整えたことが成果につながっています。
借地売却に失敗した人に共通するポイント
一方で失敗したケースでは、売却を急ぐあまり基本的な確認や交渉を怠ったことが原因になっています。
- 契約書の内容を十分に確認せず、用途制限や承諾料に関する不利な条項を見落とした
- 住職交代や相続のタイミングに重なり、承諾が長期化した
- 承諾料の負担を軽視して、想定以上のコストが発生し、手取り額が減少した
さらに、弁護士や不動産会社などの専門家を使わずに自己判断で進めた結果、裁判に発展してしまった事例も少なくありません。
体験談を総合すると、成功と失敗の分かれ目は「地主との信頼関係」「契約内容の把握」「専門家の活用」の3点に集約されます。お寺借地の売却は法律的にも人間関係的にもデリケートなプロセスであり、どれかひとつでも欠けるとトラブルに直結するのです。
お寺借地売却成功事例5選|円滑に売却できたケース
実際にお寺借地を売却した人の中には、トラブルを避けてスムーズに進められたケースも数多くあります。ここでは代表的な成功事例を5つ紹介し、ポイントを整理します。
成功事例1:住職との信頼関係を築いてスムーズに承諾を得た
ある借地人は、日頃から寺院の行事に参加し、住職とのコミュニケーションを大切にしていました。売却の話を持ちかけた際も「誠意を持って相談してくれた」と評価され、承諾は比較的容易に得られたとのことです。信頼関係があることで、承諾料の額も相場に近い範囲でまとまり、スムーズに売却へ進むことができました。
成功事例2:相場に沿った承諾料でトラブルを回避した
別のケースでは、事前に複数の専門家へ相談し、地域の承諾料相場を把握してから交渉に臨みました。地主であるお寺に対し、あらかじめ「相場の水準」を示して誠意を見せたことで、無用なトラブルを避けることに成功。売却後のトータル利益を確保できました。
成功事例3:弁護士を活用して相続人との合意を早期に実現
住職が亡くなり、複数の相続人が承諾に関与することになった事例では、弁護士を間に入れることで交渉がスピードアップしました。借地人自身が直接交渉すると感情的な対立になりやすい場面でも、第三者である専門家の調整により早期合意が成立。売却が予定どおり完了しました。
成功事例4:建物買取請求を活用して高値売却につなげた
借地契約終了に伴い建物の取り扱いが問題になったケースでは、「建物買取請求権」を行使して地主に建物を買い取ってもらいました。その結果、単なる借地権売却よりも資金を多く確保でき、買い替え先の購入資金に充てることができました。
成功事例5:売却前に契約書を見直し、不利な条件を改善した
古い契約書のまま放置していた借地人が、売却を機に専門家へ契約書をチェックしてもらいました。結果として不利な条項を修正でき、承諾料や条件交渉で有利に立てたため、買主側からの評価も高まり、売却価格が相場よりも好条件で決まりました。
お寺借地売却失敗事例5選|思わぬトラブルに直面したケース
一方で、お寺借地の売却を進めるなかで大きな壁に直面し、思うように進められなかった人もいます。ここでは、代表的な失敗事例を5つ取り上げ、注意点を整理します。
失敗事例1:承諾料をめぐって裁判に発展した
あるケースでは、地主である寺院が高額な承諾料を提示し、借地人が納得できずに対立。交渉が決裂し、最終的に裁判へと発展しました。結果として時間も費用もかかり、売却益が大きく目減りしてしまったのです。承諾料の水準を事前に調査せずに交渉を始めたことが原因でした。
失敗事例2:住職交代で条件が一気に厳しくなった
売却の話を進めている最中に住職が交代し、新しい住職が承諾に消極的な姿勢を見せた事例もあります。以前の住職とは円滑に進んでいたものの、交代によって条件が大幅に変更され、結果的に売却が長期化。借地人にとっては予想外の展開でした。
失敗事例3:用途制限により売却後の活用先が限られた
契約書に「住宅以外の用途不可」という条項があったにもかかわらず、借地人は事前確認を怠り、店舗用として購入を希望する買主との契約が成立しませんでした。用途制限を軽視したことで買主候補が減り、売却価格を下げざるを得なくなったケースです。
失敗事例4:契約書が古く、法的に不利な立場に立たされた
昭和時代に作成された古い契約書のまま更新を重ねていたケースでは、内容が曖昧で法的に不利な立場となり、承諾交渉で地主側に主導権を握られてしまいました。専門家による契約書チェックを怠ったことが、失敗につながった典型例です。
失敗事例5:税金や譲渡費用を想定せず手取りが大幅に減少した
売却益をそのまま収入と考えていた借地人が、実際には譲渡所得税や仲介手数料、司法書士費用などが発生し、想定以上に手取りが減ってしまった事例です。税務や諸費用を計算に入れずに計画を立てたため、売却後の資金計画に狂いが生じました。
お寺借地を売却する前に押さえておくべきチェックリスト
お寺借地の売却は、事前準備の有無で結果が大きく変わります。売却をスムーズに進めるためには、最低限以下のチェックポイントを確認しておくことが重要です。
- 承諾料の相場と条件を調べる
- 契約書と借地借家法の整合性を確認する
- 税金・譲渡費用を試算して収益を見極める
承諾料の相場と条件を調べる
お寺借地を売却する際には、地主である寺院から承諾を得る必要があります。
その際に支払う「承諾料」は明確な法的基準がなく、地域や寺院の判断によって幅があります。
事前に専門家へ相談したり、周辺の事例を調べて相場を把握しておくことで、交渉を有利に進められます。
契約書と借地借家法の整合性を確認する
古い契約書のまま放置している場合、法改正や判例によって不利になる条項が残っていることがあります。
特に「用途制限」「更新条件」「譲渡承諾」に関する部分はトラブルの原因になりやすいため、売却前に必ず契約書を点検しましょう。
借地借家法との整合性を確認し、必要であれば専門家に修正やアドバイスを求めることが重要です。
税金・譲渡費用を試算して収益を見極める
借地の売却では、承諾料だけでなく税金や諸費用の影響も大きくなります。
- 譲渡所得税
- 仲介手数料
- 司法書士報酬
- 登記費用
これらを事前に計算しておかないと、想定以上に手取りが減少することになりかねません。
実際の収益をシミュレーションし、売却後の資金計画を立てておくことが安心につながります。



当社では寺院の借地売却の実績が豊富にあり、弁護士との士業連携もしっかりしておりますので、お悩みのことがありましたら気軽にご相談ください。ワンストップで対応いたします!(相談はこちらから)
まとめ|お寺借地の売却は準備と専門家のサポートが成功の近道
お寺借地の売却は、通常の土地売却に比べて承諾料や契約内容、住職や寺院の判断といった特殊な要素が絡むため、難易度が高いのが実情です。
しかし、体験談からも分かるように、事前に準備を整え、正しい手順を踏めばスムーズに売却を実現することは可能です。
成功した人たちは、地主である寺院との信頼関係を築き、契約書を専門家に確認してもらい、承諾料や条件についても相場を把握したうえで交渉を進めていました。逆に失敗した人は、契約内容の確認不足や住職交代の影響、税金・費用の見落としによって、想定外の負担を抱えてしまうケースが目立ちます。
つまり、お寺借地の売却を成功させるためには「信頼関係の構築」「契約書と法的リスクの把握」「専門家の早期活用」の3点が不可欠です。
これらを意識して準備を進めることで、トラブルを避け、手取りを最大化することができます。
お寺借地の売却は一人で抱え込むのではなく、弁護士や不動産会社などの専門家と連携して進めるのが最も確実な方法です。
しっかりと準備を整え、安心して次のステップへ進めるように行動していきましょう。
私が責任をもって対応いたします。
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加瀬 健史(カセ タケシ)
不動産業界歴20年以上 ・ 宅地建物取引士
不動産のプロでも敬遠しがちな借地権取引の実績100件以上。
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- ”借地取引をわかりやすく”をテーマに掲げた「借地権のミカタ」監修。
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